不妊治療を始めた頃、何から手をつけたらいいのか分からず、不安でいっぱいでした。
病院に行くタイミング、検査内容、治療の進み方もすべてが未知の世界。
私も最初は「とりあえずタイミングを取ってみよう」と始めたものの、結果が出ず、調べるほどに情報が溢れて混乱しました。
この記事では、私自身の経験をもとに「不妊治療の段階ごとの流れ」をチェックリスト形式で整理しました。
これから治療を始める方、次のステップに進むか迷っている方の参考になれば嬉しいです。
※この記事は、公的機関の情報を参考に作成していますが、医学的なアドバイスをするものではありません。実際の治療方針については、必ず専門の医師にご相談ください。
不妊治療の全体の流れ

不妊治療は、段階を追って少しずつステップアップしていくのが基本です。
代表的な流れは以下の通りです。
- 基礎検査・タイミング法
- 人工授精(AIH)
- 体外受精(IVF)
- 顕微授精(ICSI)
一般的には、まず「タイミング法」を半年〜1年ほど試し、それでも結果が出ない場合に人工授精へ。
さらに年齢や検査結果によって、体外受精・顕微授精へと進みます。
私の場合は、タイミング法を約8ヶ月続けたあと人工授精に進みました。
しかしプレッシャーと通院ストレスが重なり、3回目で思い切って体外受精へステップアップ。
今思えば、「もう少し早く次に進んでもよかった」と感じています。
不妊治療は「誰かと比べるものではない」ので、
医師と相談しながら自分の年齢・体の状態・気持ちのバランスで進めていくのが大切です。
ステップ① 基礎検査・タイミング法
不妊治療の最初のステップは、「自分たちの体の状態を知ること」。
まずは基礎検査で原因を探り、自然な妊娠の可能性を高める「タイミング法」から始める方が多いです。
以下は、私が通っていたクリニックでも案内された「最初にやるべきこと」のチェックリストです。
✅ 基礎検査で確認すること
- 生理周期と排卵の有無
- ホルモン値(FSH、LH、E2、プロラクチン、AMHなど)
- 卵管の通りを調べる「卵管造影検査」
- 精液検査(運動率や数など)
私は初診時にこれらの検査を一通り受けました。
特に印象に残っているのが「卵管造影」。痛みが強いと聞いて緊張しましたが、
結果的に「通りが良かった」と聞いてホッとしたのを覚えています。
「いきなり全部の検査はハードルが高い…」と感じる方は、まずはクリニックの不妊相談や初診を受けてみるのがおすすめです。
医師と相談しながら、優先順位をつけて検査を進めることができます。また、最近では「ブライダルチェック」として基本的な検査を受ける方も増えています。ただし、不妊治療を視野に入れた検査とは内容が異なる場合があるため、目的をはっきりと医師に伝えましょう。
検査にかかる費用と期間の目安
| 費用の目安 | 約2万円~5万円(保険適用される検査が多いですが、AMH検査など一部自費の場合も) |
| 期間の目安 | 1ヶ月~2ヶ月(月経周期に合わせて複数回通院が必要なため) |
✅ タイミング法で意識したこと
医師の指導のもと、最も妊娠の可能性が高いタイミングで性交渉を持つ方法です。

- 排卵検査薬の陽性反応をチェック
- 医師の指導に合わせて性交日を決める
最初はアプリで排卵日を予測していましたが、実際にはズレることが多く、病院でのエコー確認を併用したことで精度が上がりました。
自己タイミングしている時は毎朝基礎体温を測定していましたが、私の病院の医師からは特に意味ないのでしなくてOKと言われたため、毎朝基礎体温を測定することはやめました。
ただ、私にとって一番のストレスは「夫にタイミングをお願いすること」でした。
「今夜お願いね」と伝えるたびに気まずくなり、
お互いに“義務”のような雰囲気になってしまうこともありました。
妊活を始めたばかりの頃は、それも自然な流れだと思っていたのですが、
徐々にプレッシャーが強くなり、「楽しいはずの時間が苦しくなる」感覚に。
この頃から、「タイミング法が合わないかもしれない」と感じ始めていました。
✅ 費用と通院ペースの目安
- 通院:月2〜3回(排卵期中心)
- 費用:1周期あたり2,000〜5,000円程度(検査別)
比較的安価で始めやすい一方、期間が長引くと精神的な負担も増えてきます。
私の場合は8ヶ月続けて結果が出なかったため、医師の勧めで次のステップに進みました。
ステップ② 人工授精(AIH)
タイミング法で結果が出ない場合、次のステップとして選ばれるのが「人工授精(AIH)」です。
排卵のタイミングに合わせて、精子を子宮内に直接注入する方法で、
受精のチャンスを少し高めることができます。
私自身も、タイミング法で8ヶ月結果が出なかった後、人工授精にステップアップしました。
✅ 人工授精の基本の流れ

- 排卵日を予測(エコー・ホルモン検査など)
- 人工授精の実施日が決まったら、前日に排卵を促す「オビドレル注射」を打つ
- 当日、採精(朝に持参またはクリニック内で採取)
- 精子の洗浄・濃縮
- 医師がカテーテルで子宮内へ注入
- 数分安静にして終了
- 人工授精後は、黄体ホルモン補充(内服または膣剤)を行う場合もある
施術自体は5分ほどで終わり、痛みもほとんどありません。
ただ、「注射のタイミングを間違えたらどうしよう」と前日は少し緊張しました。
黄体補充も最初は抵抗がありましたが、「妊娠を助けるサポート」と思うと気持ちが楽になりました。
終わった後は「これでうまくいくかもしれない」という期待と、「またダメだったらどうしよう」という不安が入り混じっていました。
✅ 費用と通院回数の目安
- 1回あたり:10,000〜20,000円
- 通院:1周期あたり3~5回(エコー確認→当日施術)
3回目くらいから“通院→採精→施術→結果待ち”のサイクルが精神的にきつくなっていきました。
排卵前になると急な通院も頻繁にあるので、何度も会社を抜けることになるのもストレスでした。
✅ 人工授精を続けるかの判断
- 5〜6回行っても結果が出ない場合、体外受精を検討
- 精子や卵管の状態、年齢によって次のステップを決める
当時は夫婦ともに疲弊していて、「このまま同じことを繰り返しても意味があるのかな」と感じていました。
特に採精の負担が大きく、夫も「また?」という雰囲気に…。
その空気を感じるたびに、私も申し訳ない気持ちになり、
結果的に2回で区切りをつけて、体外受精に進むことを決めました。
ステップ③ 体外受精(IVF)
人工授精を数回試しても結果が出なかった場合、
医師から「体外受精(IVF)を検討してみましょう」と提案されることがあります。
私自身も2回目の人工授精で結果が出ず、体外受精へステップアップしました。

✅ 体外受精へ進む前に行った検査
体外受精に進むタイミングで、医師から「AMH(卵巣年齢)」の検査を勧められました。
この検査は、卵巣にどれくらい卵子が残っているかを知る目安になります。
体外受精に付随する検査として行う場合は保険適用料金で受けられます。
私の結果は AMH=1.2 ng/mL。年齢の割に低い値で、
「もっと早く体外受精に進んでいれば…」と後悔しました。
医師からも「あなたのタイプは、時間との勝負になる」と言われ、
当時はショックで頭が真っ白になりました。
✅ 体外受精の基本的な流れ
- 排卵誘発(刺激法)
‐ 注射や内服薬で複数の卵子を育てる
‐ 通院頻度が増え、卵胞の大きさをエコーで確認 - 採卵
‐ 卵巣から卵子を取り出す
‐ 私は麻酔なしで採卵を受けましたが、正直、地獄のような痛みでした。
‐ それでも「1つでも多く取ってほしい」という気持ちで必死に耐えました。 - 受精・培養
‐ 採れた卵子を受精させ、胚盤胞まで培養
‐ しかし、私の場合は4個しか採れず、凍結まで進めた卵はゼロ。
‐ 医師からは「あなたのタイプはマラソンのように長期戦になります」と伝えられました。
絶望感でいっぱいになりました。
「これをあと何回やらないといけないの?」と涙が止まらなかったのを覚えています。
でも、同じ治療でも結果は人それぞれで、
多くの方は採卵で複数の卵が取れ、移植できる凍結胚を得られるそうです。
だからこそ、「自分の体の傾向を早く知る」ことが何より大事だと思いました。
✅ 費用の目安
- 1回の採卵+培養+移植でおよそ 40〜60万円(保険適用の場合)
- 自費の場合は 1回あたり60〜100万円前後
費用の負担も大きく、結果が出ないと心が折れそうになります。
それでも、自治体の助成金や医療費控除を利用すれば少し軽くなります。
「経済面も含めて、無理のないペースで続けること」が何より大切です。
ステップ④ 治療と心のバランスの取り方
不妊治療を続けていく中で一番つらかったのは、「治療の痛み」よりも「心のアップダウン」でした。
採卵や移植を繰り返しても結果が出ないと、何のために頑張っているのか分からなくなる時があります。
でも、少しずつ“心の休ませ方”を見つけることで、治療と共に生きる力が戻ってきました。

✅ 治療を休む勇気も大切
最初の頃は「休む=後退」と思っていました。
でも、採卵を何度も繰り返して体も心も限界を迎えた時、思い切って1ヶ月治療を休んでみたら、気持ちが少し軽くなりました。
通院のない週末に夫と散歩をしたり、カフェでのんびり過ごしたり。
「治療以外の時間を大切にすること」が、再スタートの原動力になりました。
✅ 夫婦で話し合う“距離感”の大切さ
治療の過程では、どうしても夫婦で温度差が生まれます。
私も「もっと協力してほしい」と何度も思いました。
でも、夫には夫なりのプレッシャーがあったことを後から知りました。
それ以来、「今は話を聞いてほしいだけ」「意見がほしい」など、
その時の気持ちを具体的に伝えるようにしました。
不妊治療は“チーム戦”というより、“ペースを合わせて走るマラソン”だと感じます。
✅ SNSとの付き合い方も工夫を
治療がうまくいかない時期に、SNSで妊娠報告を見て落ち込むことがありました。
そんな時は一時的にフォローを外したり、通知をオフにするなど、「見ない選択」をすることも自分を守る手段です。
代わりに、不妊治療を続けている人の発信を読むことで、「自分だけじゃない」と思えることが何度もありました。
共感のつながりは、心の支えになります。
治療の記録に!「不妊治療のステップと心の準備チェックリスト」プレゼント
不妊治療は、検査や治療ステップが多く、費用や心の負担も大きくなりがちですよね。
私自身も、どこまで進めばいいのか、今どの段階なのかが分からなくなって、何度も不安になってきました。
そこで今回、
「不妊治療のステップと心の準備チェックリスト」 を
誰でも使える PDF(印刷用) としてまとめました。
このPDFでできること
- 治療前の準備チェック
- 基本検査+高度医療検査(ERA、フローラ検査、免疫検査、タイムラプスなど)の整理
- 一般治療~高度医療(IVF、ICSI、AHA、PGT-A など)のステップ整理
- 自分の気持ちの確認(心のケア)
- 医師との相談メモとしても活用可能
不妊治療の流れを「見える化」することで、
焦りを減らし、必要な検査・治療を落ち着いて選べるようになります。
まとめ|不妊治療は自分のペースでいい

不妊治療を始めてから、たくさんの検査や薬、注射を経験してきました。
その中で痛みよりもつらかったのは、「心が追いつかない瞬間」でした。
周りのスピードと比べて焦ったり、SNSで結果を見て落ち込んだり。
でも今は、「私のペースで進めばいい」と思えるようになりました。
✅ 治療は“競争”ではなく“選択”
不妊治療には正解がありません。
タイミング法で授かる人もいれば、何年もかけて体外受精に挑む人もいます。
大切なのは「どんな方法を選ぶか」よりも、
「どう自分を支えていくか」だと感じています。
✅ 結果が出なくても、確実に前進している
採卵で卵が取れなかった日も、陰性だった判定日も、
どれも“経験値”として自分の中に積み重なっています。
不妊治療は結果だけでなく、「自分と向き合う力」を育ててくれる過程でもあります。
どんな結果であっても、「ここまで頑張ってきた自分」を誇っていいと思います。
✅ これから挑戦する人へ
不妊治療は孤独に感じやすいけれど、
同じように悩んでいる人は必ずいます。
一人で抱え込まず、信頼できる人や医療者に頼ってください。
そして、時には立ち止まっても大丈夫。
治療も人生も、すべて“あなたのペース”でいいのです。
🌼 この記事が、これから治療を始める方の心を少しでも軽くできますように。

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