仕事と不妊治療の両立、本当に大変ですよね。
「上司になんて説明すればいいんだろう？」
「同僚に迷惑をかけている罪悪感が辛い…」
私も働きながら不妊治療をしていたので、その気持ち、痛いほどわかります。先の見えない治療と仕事の板挟みになり、何度も「もう辞めるしかないのかも…」と考えました。
この記事では、実際に私が仕事と治療を両立するために実践した具体的な工夫や、上司への伝え方、知っておくと便利な制度について、私の体験談を交えながら詳しく解説します。
不妊治療と仕事の両立はなぜ難しい？
不妊治療を続けながら働く人が増える一方で、「両立の難しさ」を感じる声は後を絶ちません。
まずは、その理由を整理してみましょう。
通院回数が多く、スケジュールが直前に決まる
不妊治療は、生理周期やホルモン値によって治療日が変わるため、
「今週〇曜日に通院」と事前に確定できないケースが多いです。
特に採卵周期や移植周期では、クリニックから前日に「明日来てください」と連絡が来ることも。
この“読めなさ”が、仕事との両立を難しくします。
身体的・精神的な負担が大きい
採卵やホルモン注射など、治療内容によっては体調の波が大きくなります。
「昨日は元気だったのに、今日は動けない」という日も。
また、結果が出ない時の落ち込みや焦りも重なり、メンタル面での疲労も避けられません。
職場で理解を得にくい
不妊治療の経験がない上司や同僚には、
「なぜそんなに頻繁に通院するの？」と理解されにくいこともあります。
治療内容を詳しく説明するのも気が引けるため、
「ただの通院」と伝えて誤解されるケースも少なくありません。
自分を責めてしまう心理的プレッシャー
「同僚に迷惑をかけているかも」「頑張りが足りないのでは」
そんなふうに自分を責めてしまいがちですが、
両立が難しいのはあなたのせいではありません。
治療と仕事、どちらも本気で取り組んでいるからこそ生まれる葛藤なのです。
通院スケジュールを無理なく調整するコツ
不妊治療は、通院回数が多く、しかも予定が直前に決まるため、スケジュール調整に苦労する方がほとんどです。
ここでは、仕事と治療を両立しやすくするための「通院スケジュール調整のコツ」を紹介します。
クリニック選びで「通いやすさ」を最優先にする
治療内容も大切ですが、通院アクセスはそれ以上に重要です。
職場や自宅から遠いクリニックを選ぶと、移動だけで体力も時間も消耗してしまいます。
私自身、最初は評判の良い遠方クリニックに通っていましたが、
朝の採血やエコーのために毎回1時間運転していく必要があり、ストレスが溜まりました。
長期戦になる治療では、通いやすさが本当に大切です。
午前・午後・夜間診療をうまく活用する
最近は、夜間診療や土日診療に対応しているクリニックも増えています。
平日フルタイム勤務の方は、夜間枠や土曜午前を組み合わせることで、
通院による欠勤を最小限に抑えられます。
私自身、最初に通っていた病院は朝7時から診察が可能だったため、
「朝いちばんに受診して、仕事は10時出勤のシフトに変更する」ことで両立していました。
現在通っている病院は、夜20時まで診察可能なクリニックなので、
「仕事帰りに受診する」というスタイルに変えました。
生活リズムに合わせて通院時間帯を選べる病院を選ぶと、治療も仕事も無理なく続けられます。
シフト制・フレックスタイムを活用する
シフト勤務やフレックス制度がある職場なら、
治療周期に合わせて勤務時間を微調整するのも効果的です。
排卵期に合わせて数日だけ早退・遅出を設定すれば、通院と治療の両立がしやすくなります。
スケジュール管理は「治療カレンダー＋職場カレンダー」で可視化
不妊治療は、周期・薬のスケジュール・採卵日・移植日など、
細かい予定が重なります。
私はGoogleカレンダーに「治療」「仕事」の2色を設定し、
通院予定日や注射日を分けて管理していました。
上司への伝え方と職場での立ち回り方
不妊治療と仕事を両立するうえで、多くの人が悩むのが「上司や職場にどこまで話すか」という問題です。
治療内容を詳しく伝える必要はありませんが、最低限の理解を得るための伝え方を工夫することで、通院のしやすさが大きく変わります。
正直すぎず、でも誤解されない程度に伝える
不妊治療はデリケートなテーマです。
すべてをオープンにする必要はありませんが、「定期的な通院が必要な治療を受けている」ことだけは、上司に伝えておくのがおすすめです。
たとえば、こんな伝え方が自然です。
💬 伝え方の例
「持病の治療のため、月に数回ほど通院が必要です。
急な診察になることもありますが、できるだけ業務に支障が出ないように調整します。」
このように説明すれば、内容を具体的に言わずとも、
「健康上の理由で一時的に配慮が必要」と理解してもらいやすくなります。
タイミングを選んで相談する
上司が忙しい時期や締め切り直前に話すと、どうしても伝わりにくくなります。
できるだけ落ち着いて話せるタイミングを選び、
短時間でも「継続的な通院がある」ことを伝えておくのが理想です。
また、女性上司や信頼できる人事担当者など、
理解を得やすい相手にまず相談するのも効果的です。
言いにくい場合は「診断書」や「通院証明」を活用
どうしても言い出しにくい場合や、勤務調整が必要な場合には、医師に相談して通院証明書を出してもらう方法もあります。正式な書類があれば、職場としても対応しやすくなります。
ただし、「不妊治療」という文言を入れずに
「婦人科系治療のため」などの表現にしてもらうことも可能です。
同僚には「家庭の事情で通院している」と伝える
周囲への配慮も大切ですが、無理に説明する必要はありません。
「家庭の事情で定期的に通院している」とだけ伝えれば十分です。
必要以上に詮索されたら、「持病のケアで」と軽く流すのもあり。
制度を活用して無理なく続ける
不妊治療を続けるには、体力だけでなく時間とお金の余裕も必要です。
実は、会社や自治体には「不妊治療と仕事の両立」を支える制度がいくつもあります。
うまく活用すれば、無理をせずに治療を継続することができます。
有給休暇や時間単位休を上手に使う
採卵や移植の前後は体調を崩しやすく、急な休みが必要になることもあります。
そんなときに役立つのが、時間単位の有給休暇制度です。
「午前だけ休み」「2時間だけ遅出」など、柔軟に使えるため、
通院時間に合わせて勤務を調整しやすくなります。
導入されていない会社でも、相談すれば特例で対応してもらえることがあります。
フレックスタイム・在宅勤務制度の活用
近年は、不妊治療の負担を考慮し、
フレックス制度やテレワークを導入する企業が増えています。
通院日だけ在宅勤務に切り替える、または出退勤時間をずらすだけでも、
通院負担を大きく軽減できます。
「〇曜日の午前だけ通院が多いので、午後から勤務にしたい」など、
具体的に相談するとスムーズに受け入れてもらいやすいです。
不妊治療休暇制度をチェック
企業によっては、不妊治療を目的とした特別休暇制度を設けているところもあります。
たとえば、連続した治療期間中に有給とは別枠で取得できる制度や、
治療のための早退・遅刻を認める社内規定など。
もし就業規則に明記がなくても、人事部に相談して前例を確認してみましょう。
社内の理解が進んでいれば、柔軟な対応を受けられる場合もあります。
自治体の助成金や公的支援も活用
不妊治療費の一部は、自治体の助成金制度で補助を受けられる場合があります。
特定不妊治療（体外受精や顕微授精）に対しては、
一定の所得制限内で助成を受けられるケースが多く、
通院にかかる交通費や薬代の負担を軽減できます。
さらに、医療費が年間10万円を超える場合は、
医療費控除の対象にもなるため、確定申告時に必ず申請しましょう。
もう無理…とならないために。両立のストレスを乗り越える心の持ち方
不妊治療と仕事の両立は、体力だけでなく精神力も削られるものです。
私自身も「もう無理かも」と感じたことが何度もありました。
そんな中で意識していた、心の持ち方を3つご紹介します。
完璧を目指さない
仕事も治療も100%を目指すのは、現実的ではありません。
「今は治療を優先する時期」と割り切る勇気も大切です。
私も以前は「職場に迷惑をかけたくない」「成果を出さなきゃ」と頑張りすぎて、
かえって体調を崩してしまいました。
完璧でなくてもいい。
“できる範囲で続ける”という柔軟さが、長く治療を続けるための鍵です。
パートナーと徹底的に協力する
不妊治療は、一人では乗り越えられません。
夫（またはパートナー）とどう協力体制を築くかがとても大事です。
私の場合、通院の付き添いや注射スケジュールの共有、家事の分担を話し合って明確にしました。
それでも意見がぶつかることもありましたが、「治療は二人の課題」と話し合い続けたことで、少しずつ理解が深まりました。
仕事や治療と関係ない時間を作る
治療のことをずっと考えていると、心が疲れてしまいます。
だからこそ、意識的に“何も考えない時間”を作ることを意識していました。
私の場合は、
- 好きなアニメを一気見する
- 推しのライブに行く
- 好きなお菓子を食べまくるチートデイを作る
といった楽しみを持つことで、心のバランスを保てました。
まとめ
仕事と不妊治療の両立は、時に孤独で過酷に感じられるものです。
しかし、今回ご紹介したように
- 仕事の調整法を工夫する
- 勇気を出して上司に伝える
- 使える制度を徹底的に活用する
- 自分を追い詰めすぎない
といった対策をすることで、退職せずに治療を続ける道が見えてきます。
何より大切なのは、一人で抱え込まないこと。
この記事が、同じように頑張るあなたの心を少しでも軽くできたら嬉しいです。
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